国保 高額療養費制度について 申請方法や限度額など詳しく解説

生活

高額な医療費を抑えたい方へ

国民健康保険の高額療養費について下記のような悩みはありませんか?

・国民健康保険の高額療養費制度って何?
・申請方法と必要な書類は?
・自己負担の限度額は?自己負担額の計算方法は?
・高額医療・高額介護合算療養費って何?
・高額医療・高額介護合算療養費の対象者は?

本記事は、実際に父の申請時に代理人として手続きを行い、制度を十分理解し、保険の専門家である母の監修の下、執筆しました。
本記事では、下記の順で解説します。

高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、医療費の家計負担が重くならないよう、病院や薬局などの医療機関の窓口で支払う医療費が、1ヶ月間で自己負担の上限額を超えた場合に、その超えた額を支給してくれる制度のことです。

病気や怪我で入院、手術をして高額な医療費がかかる場合には、まず初めに限度額適用認定証を国民健康保険の窓口で申請しましょう!限度額適用認定証について解説していますので以下をご参照下さい。
国保 限度額適用認定証について 申請、所得区分など詳しく解説

国保 高額療養費の申請方法

高額療養費制度を利用する際は、以下の点に注意してください。

判定は1カ月ごと

高額療養費制度の自己負担の限度額の判定は、1日から末日までの1ヶ月毎です。

自己負担の限度額判定が1ヶ月毎であるのは、医療機関が作成する診療報酬明細書が1ヶ月毎に作っており、これをベースに判定しているからです。

したがって、残念ではありますが、月ごとに医療費を計算する事になりますので、たとえ医療費が高額になった場合であっても、月ごとの自己負担の限度額を下回った場合は、高額療養費とは認められないため返金されません。

対象となる費用は保険の適用範囲のみ

対象となる高額療養費は、公的医療保険の適用範囲のみとなります。

これは、高額療養費自体が、公的医療保険から支給されるものであるためです。

また、下に示す公的医療保険の適用範囲外の費用には、高額療養費制度は使えないので十分注意してください。

  • 普通分娩費用
  • 美容整形費用
  • 差額ベッド代(※)

高額療養費の事後申請手順

高額療養費の自己申請手順は以下の6つの順に従い行います。

1. 病院の窓口で医療費を支払う

2. 医療費の自己負担額を算出する

3. 市区町村で『国保高額療養費支給申請書』をもらう

4. 申請書に必要事項を記入して提出する

5. 市区町村による審査を通過する

医療機関等から市区町村に送られてくる請求書(診療報酬明細書)を確認した後になります。

6. 審査完了後、約3カ月後に医療費が払い戻される

市区町村によっては、支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合は高額療養費制度の対象者に通知書を発送しています。

時効は2年間

高額療養費の申請の時効は2年間です。起算日は、診察した月の翌月の1日を起算日として計算されます。

ただし、医療費を診察した月の翌月以降に支払った際には起算日も変更されます。
起算日は、支払い日の翌日から2年間です。または、通知書を受け取った日から2年以内です。

申請に必要な書類

申請に必要な書類は以下の6つがあります。

1. 療養を受けた人が医療機関や調剤薬局等で支払った領収書

2. 国民健康保険証

3. 世帯主名義の預金口座の分かるもの

4. 世帯主の印かん(認め印)

5. 窓口に来た人の身分証明書

6. 世帯主と療養を受けた人のマイナンバーカードまたはマイナンバーカード

※所得の区分は、診療月によって変わります。
1~7月:前々年の所得
8月~12月:前年の所得をベースに判定を行います。

限度額は世帯の課税状況によって変わります。

所得区分別の自己負担限度額

所得区分自己負担限度額過去12か月で4回以上
高額療養費に該当した
人の4回目以降の自己負担額
基準総所得額
901万円超
※1
252,600円+(医療費総額-842,000円)×1%140,100円
基準総所得額
600万円超
901万円以下
167,400円+(医療費総額-558,000円)×1%93,000円
基準総所得額
210万円超
600万円以下
80,100円+(医療費総額-267,000円)×1%44,400円
基準総所得額
210万円以下
57,600円44,400円
住民税非課税世帯35,400円24,600円

※1 国民健康保険被保険者のうち、住民税を申告していない方がいる世帯に属している人は、所得区分の「ア」で計算されます。

※2 自己負担額の合計が、自己負担限度額を超えないと高額療養費の支給額は発生しません

自己負担額の計算方法

自己負担額の計算方法は以下のような5つの計算条件で行います。

1. 月ごと(1日から末日まで)の受診について計算

2. 病院・診療所ごとに計算。
ただし、同じ病院・診療所であっても歯科は別計算

3. 外来・入院も別計算
(院外の処方せんによる調剤は合算する)

4. 入院時食事自己負担額、室料、差額ベッド代などの保険適用外のものは計算の対象外

5. 以上の方法で計算した負担金が、同じ世帯内で複数ある場合は、以下の方法で合算

①70歳未満の人は、1つの医療機関における1ヶ月単位で計算した3割の自己負担額が、2万1,000円以上のものだけが合算対象

70歳以上の人は、計算した自己負担額(2割、3割)のすべてが合算対象

区分 ※1負担割合外来(個人単位)外来+入院(世帯単位)




課税所得690万円以上III3割252,600円+(総医療費(10割)-842,000円)×1%
過去12カ月で、4回以上超えた場合は、4回目以降は140,100円
課税所得380万円以上II3割167,400円+(総医療費(10割)-558,000円)×1%
過去12カ月で、4回以上超えた場合は、4回目以降は93,000円
課税所得145万円以上I3割80,100円+(総医療費(10割)-267,000円)×1%
過去12カ月で、4回以上超えた場合は、4回目以降は44,000円
一般2割 ※318,000円
年間上限額144,000円 ※2
57,600円
過去12カ月で、
4回以上超えた場合は、
4回目以降は44,000円
低所得者II2割 ※38,000円24,600円
低所得者I2割 ※38,000円15,000円

70歳以上の高額区分は次のとおりです。

区分対象者
現役並み所得者同一世帯内に70歳以上で、住民税の課税所得が145万円以上の人がいる場合。
ただし、一般区分が適用となる可能性があります。
H30年8月からは上表のとおり、課税所得に応じて3つの区分に細分化されました
一般現役並み所得者、低所得者II、低所得者I以外
低所得者II同一世帯の世帯主と、国保の被保険者全員が住民税が非課税の人で、低所得者I以外の場合。
低所得者I同一世帯の世帯主と、国保の被保険者全員が住民税が非課税の人で、世帯所得が必要経費と控除を引いたとき0円となる場合。

※2年間(8月から翌年7月まで)の上限額は144,000円です。

75歳到達時の特例

75歳に到達したときの特例として、国保と後期高齢者医療制度の自己負担の限度額が、後期高齢者医療制度の被保険者になっている誕生月について、各々が1/2ずつになります。

また、国民健康保険組合の被保険者等が、後期高齢者医療制度の被保険者になる場合、その被扶養者が国民健康保険に加入する際も、特例で加入月のみであるが、国保と被用者保険の両方で自己負担の限度額が各々1/2ずつになります。

後期高齢者医療制度について以下で解説していますのでご参照下さい。
後期高齢者医療制度について、制度のポイント、対象者と時期、必要書類、自己負担費用、保険料など詳しく解説

高額医療・高額介護合算療養費制度

高額医療・高額介護合算療養費制度とは、簡単にいうと、
医療保険と介護保険の負担が長く続いている世帯は経済的負担が大きいので、合算算定基準額を超えた分の費用を支給するという制度です。

合算算定基準額は、前年の8月1日から7月31日までで支払った医療保険と介護保険の負担した額から算定します。このとき、高額医療と高額介護費の上限に達していようがいまいが関係ありません。

対象となる世帯には、支給申請書を郵送します。
ただし、対象となる世帯であったとしても、前年の8月1日から7月31日までに、医療または介護保険に変更がある場合は、申請書が郵送されないことがありますので注意が必要です。

対象となる人

医療費および介護サービス費の両方の自己負担額がある世帯が対象となります。
ただし、医療費のみ、または介護サービス費のみの世帯は対象とはなりませんので注意してください。

70歳未満の世帯の合算算定基準額

区分限度額
基準総所得
901万円超
212万円
基準総所得
600万~901万円以下
141万円
基準総所得
210万~600万円以下
67万円
基準総所得
210万円以下
60万円
住民税非課税世帯34万円

70歳以上75歳未満の世帯の合算算定基準額

平成30年7月まで平成30年8月以降
区分限度額区分限度額
現役並み所得者
課税所得145万円以上
67万円現役並みIII 課税所得690万円以上212万円
現役並みII 課税所得380万円以上141万円
一般
課税所得145万円未満
56万円現役並みI 課税所得145万円以上67万円
一般
課税所得145万円未満
56万円
低所得者II31万円低所得者II31万円
低所得者I19万円 ※1低所得者I19万円 ※1

※1 世帯内に、介護サービスを利用する方が2名以上いる場合は、31万円になります

高額医療・高額介護合算療養費の支給申請は、7月31日時点での基準日に現在加入中の医療保険に申請することになります。

申請に必要な書類

申請に必要な書類は以下の7つがある。

1. 窓口に来た人の身分証明書

2. 世帯主と手続きが必要な人全員のマイナンバーカードまたはマイナンバ―通知カード

3. 支給申請書(郵送された申請書)

4. 国民健康保険証と介護保険証

5. 振込先(世帯主および介護保険被保険者)の口座の分かる書類

6. 印鑑(認め印)

7. 自己負担額証明書(計算期間中に他の医療保険や介護保険に加入されていた場合のみ

最後に

如何でしたでしょうか。

もしもの時の強い味方「高額療養費制度」について解説しました。
対象となる方は上記を参考に申請して頂けると幸いです。

ご自身や家族が病気やケガ等で気が滅入ってしまいそうな中、お金の心配までしたくないですよね。いざというときのための貯蓄を効率的に貯める方法や、民間の保険の選び方や費用等についてもそのうち紹介していきたいと思います。

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