後期高齢者医療制度の保険料算定について詳しく解説

生活

後期高齢者医療制度の保険料算定方法についてご存知でしょうか。本稿では、後期高齢者医療制度の保険料の算定方法や軽減基準などについてわかりやすく解説します。

本稿は下記のような方を対象にしています。

・後期高齢者医療制度の保険料の算定方法について知りたい方
・所得割額の軽減基準について知りたい方

本記事は社会保険の専門家である母の監修の下、執筆しました。
本記事では、下記の順で解説します。

保険料算定について

後期高齢者医療制度では、介護保険と同様に、被保険者一人ひとりが保険料を

納めなければいけません(徴収は市区町村が行います)。

後期高齢者医療制度については以下で詳しく説明しておりますの御参照下さい。
後期高齢者医療制度について、制度のポイント、対象者と時期、必要書類、自己負担費用、保険料など詳しく解説

後期高齢者医療制度の高額介護合算治療費については以下を御参照下さい。
後期高齢者 高額介護合算療養費の限度額、計算、申請をわかりやすく解説

保険料の設定の仕方  東京都の場合

保険料の設定の仕方について箇条書きでポイントを以下に示します。

・保険料は、すべての被保険者一人ひとりが納めなければいけません。

・保険料の額は、被保険者一人ひとりに均等に賦課される「均等割額」と、所得に応じて決められる「所得割額」の合計額です。

・令和2・3年度は均等割額44,100円、所得割率8.72%です。

・保険料の賦課限度額は被保険者一人につき64万円です。

・保険料率は2年ごとに見直しが行われます。保険料の均等割額と所得割率は、令和2・3年度の2か年の財政運営を通じて、収支が均衡するように設定し、令和2年1月に開かれた東京都後期高齢者医療広域連合議会で決定されました。

・この料率は、東京都内で均一です。

保険料の賦課のもととなる所得金額とは、前年の総所得金額及び山林所得金額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計から基礎控除額33万円を控除した額です(雑損失の繰越控除額は控除しません)。

賦課のもととなる所得金額については、次の「賦課のもととなる所得金額」をご覧ください。

「賦課のもととなる所得金額」に含まれる主な所得額
賦課のもととなる所得金額=所得(収入ー必要経費*)ー基礎控除額(33万円)*給与所得控除、公的年金控除等

総合課税分
・公的年金所得額
・給与所得額(専従主から支払われた給与(専従者給与)も所得に含まれる)
・営業等所得額
・農業所得額
・不動産所得額
・利子所得額(源泉徴収課税で完結しないもの)
・配当所得額(総合課税分)
・一時所得額
・短期譲渡所得額(総合課税分)
・長期譲渡所得額(総合課税分)
・その他雑所得額(生命保険契約等に基づく年金等)

申告分離課税分
・短期譲渡所得額(申告分離分)(土地建物等の譲渡等)
・長期譲渡所得額(申告分離分)(土地建物等の譲渡等)
・山林所得額
・先物取引にかかる雑所得額等の金額
・株式等にかかる譲渡所得額の金額
・配当所得額(上場株式の配当所得など)(申告分離課税分)

注意点
・保険料の所得割額計算の対象となる「賦課のもととなる所得金額」には、退職所得、非課税所得(遺族年金・障がい者年金・失業給付など)は含まれない。
また、算出上においては「総合課税分」と「申告分離課税分」のそれぞれについて損益通算や、各繰越損失額(繰越雑損失を除く)・特別控除額の控除を行い、「総合課税」と「申告分離課税分」の金額を合計する(マイナスの場合は0円として合算)

・「賦課のもととなる所得金額」となる前年の総所得金額及び山林所得額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計から控除できる金額は基礎控除額33万円だけ。
所得税や区市町村民税(住民税)の課税所得金額のように、医療費控除や社会保険控除、生命保険控除、配偶者控除といった各種控除は適用されない。

・上記の保険料の所得割額の計算と「均等割額の軽減判定」及び「医療機関等にかかるときの(医療費の)自己負担の割合判定」とはその計算方法に違いがある。

令和2年度保険料の計算について

年金収入の方の所得割の場合

所得割額 =( (1)公的年金収入-(2)公的年金控除-(3)基礎控除33万円)x (4)所得割率

※公的年金控除は収入金額に応じて定められており、例えば収入金額が330万円未満の65歳以上の方の場合は120万円となります。

例)単身77歳 公的年金等収入 250万円の場合

均等割額 = 44,100円(ア)
所得割額 =( (1)250万円-(2)120万円 -(3)33万円)×(4)8.72%= 84,584円 (イ)
保険料 =(ア)均等割額 +(イ)所得割額 = 128,600円(年額)

※100円未満切捨て

保険料の賦課の方法

・決定される保険料は、その年の4月1日から翌年3月31日までの金額です。

・新たに後期高齢者医療制度の対象となった方や、他道府県から転入された方は、その月から月割で保険料が賦課されます。また、他道府県へ引っ越された方は、転出した前月分まで保険料がかかります。

・転入等により新たに東京都の後期高齢者医療制度の対象になった方で、前年の所得額を調査中の場合は、前住所地の区市町村から回答がありしだい、再計算をして保険料額が知らされます。

令和2年度保険料の軽減について

期高齢者医療制度の保険料には、所得の低い方に対する均等割額および所得割額の軽減と、会社の健康保険など(国保・国保組合は除く)の被扶養者だった方に対する軽減の制度があります。

保険料軽減特例の見直しについて

後期高齢者医療制度では、「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、所得が一定基準以下の方等に対して保険料の軽減が実施されていますが、その中でも特に所得の低い方等を対象に、特例として更なる保険料の軽減を行い、その分を国の費用で補われていました。

しかし、今後医療費の増大が見込まれる中、安心して医療を受けられる健康保険制度を維持していくために、保険料の軽減特例の一部が見直されました。

低所得者の保険料軽減について

均等割額の軽減

同じ世帯の後期高齢者医療制度の被保険者全員と世帯主の「総所得金額等を合計した額」【*1】をもとに、均等割額を7割・7.75割・5割・2割軽減されています。

【*1】「総所得金額等を合計した額」とは、前年の総所得金額及び山林所得金額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額の合計であり、退職所得は除きます。また、事業専従者控除、譲渡所得の特別控除がある場合は、均等割額の軽減判定額の算出の際に必要経費として算入又は控除を行いません。

均等割額の軽減基準

同じ世帯の後期高齢者医療制度の被保険者全員と世帯主の「総所得金額等を合計した額」をもとに均等割額を軽減しています。

均等割額軽減基準表

均等割額軽減の基準
総所得金額等の合計が下記に該当する世帯
軽減割合
33万円以下で被保険者全員が年金収入80万円以下
(その他の所得がない)
7割(本則)
33万円以下で7割軽減の基準に該当しない7割(本則)
令和2年度は7.75割
33万円+(28.5万円×被保険者数)以下5割
33万円+(52万円×被保険者数)以下2割

・65歳以上(その年の1月1日時点)の方の公的年金所得については、その所得から更に高齢者特別控除15万円を差し引いた額で判定する。

・世帯主が被保険者でない場合でも、世帯主の所得は軽減を判定する対象になる。

・世帯はその年度の4月1日(年度途中に東京都で資格取得した方は資格取得日)時点の状況で判断する。

*5割軽減及び2割軽減の対象者が拡大されました

【参考】令和元年度の基準
・5割軽減…33万円+(28.5万円×被保険者数)以下
・2割軽減…33万円+(51万円×被保険者数)以下

所得割額の軽減

東京都後期高齢者医療広域連合の独自の軽減措置として、「賦課のもととなる所得金額(旧ただし書き所得)」が20万円以下の方の所得割額を軽減しています。

所得割額の軽減基準

被保険者本人の「賦課のもととなる所得金額(旧ただし書き所得)」を基に所得割額が軽減されます。

所得割額軽減基準表

賦課の下となる所得金額
(旧ただし書き所得)
軽減割合
令和2・3年度
参考例:公的年金収入のみの場合
年金収入基準
15万円以下50%168万円以下
20万円以下25%173万円以下

※これらに伴う財源は、市区町村が負担しています。

会社の健康保険など(国保、国保組合は除く)の被扶養者だった方の軽減について

後期高齢者医療制度の対象となった日の前日まで会社の健康保険など(国保・国保組合は除く)の被扶養者だった方は、これまで保険料を納めていなかった経緯から、激変緩和を図るため次の通り保険料が軽減されます。

元被扶養者の軽減割合

均等割額5割軽減(加入から2年を経過する月まで)
所得割額当面の間、かからない

最後に

いかがだったでしょうか。今回は、後期高齢者医療制度の保険料算定について解説しました。
後期高齢者医療制度についての解説は以下もご参照頂けますと幸いです。
後期高齢者医療制度について、制度のポイント、対象者と時期、必要書類、自己負担費用、保険料など詳しく解説

また、後期高齢者医療制度の高額介護合算療養費については、以下で解説していますので御参考にして頂ければ幸いです。

後期高齢者 高額介護合算療養費の限度額、計算、申請をわかりやすく解説

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